妊婦さんの着付け 帯の巻き方・位置
通常の着付けでは、帯の下線をぴっちり、上線は余裕を持って体に巻いてきますね。
妊婦さんには、ぎゅーっと帯を締めるのも躊躇してしまいますので、必ず少しずつ締めながら、一巻き目、ふた巻き目で必ず手をとめて、気分が悪くないか、めまいがしないか確認してください。
かといって、下線がモコモコ、ゆるゆる、帯が落ちてくる、というのではこまります。
でも、気分が優れないので、ゆるくゆるく巻いてください、といわれると、こまってしまいますね。その場合は、帯が下がってきてしまう可能性があること、気分が悪くなったら、帯枕の紐や帯の上線をぐっと前にひっぱり胸元に余裕を作ると楽になることをお伝えしましょう。
事前に確認できる場合は、写真撮影程度なら、そこまで気をつける必要はありませんが、数時間は少なくとも着用する、となると、なるべく軽い帯を選んでいただき、体調が優れない場合は袋帯で重くて硬い帯しかお持ちで無い場合は名古屋帯を(格としては落ちますが、体調重視で)選ばれたほうが楽であることをお伝えしています。
また、お腹が出てくると、帯を巻く位置も変わってきます。
お腹のふくらみになるべくかからない位置に巻きたいものですが、少しはかかってしまいますね。どうしても前上がりの巻き方になるかと思います。ですので、どんなに身長が高い方でも帯幅は最小限にして、脇・お腹を圧迫しなくてすむようにしましょう。帯幅を出すと、おはしょりが出なくなります。
私の場合は、妊娠7ヶ月あたりから通常の幅(4寸)でも広く感じました。ですので、半幅帯をさらに折って使ったり、兵児帯にして狭くして使っていました。
どうしても、袋帯をしなくてはいけないときは、短時間であれば胸をつぶしながら巻いてもいいかな、と思います。