妊婦さんの着付け~補正はどうしましょう?
妊婦さんの体型の特徴はなんといってもお腹。妊娠6ヶ月以降はお腹が目立ってきます。お腹の大きさは経産婦か初産かなど、人によるところも多いので、実際に自分の目で確認して、紐の長さが足りそうか、着物の幅が足りそうか、事前に確認できるといいですね。
体型補正については、妊婦さんに限らず着付けの際は必ず行っているかと思いますので、妊婦さんに特化した部分だけこちらでは記載していきます。
大きくなった胸をどうするか
授乳の準備のため、胸はぐんぐん大きくなる人が多いかと思います。さらしを巻くのが上手な方は晒しで補正してあげてもいいですね。
私の場合は、基本的に妊婦さんにさらしは巻きません。妊娠期間中はメマイや貧血がおきやすいです。特に脇の下を締めると血がめぐらなくなってしまうことがあります。ですので、もし、胸がとっても大きくなって、太った感じに見えることを気にされる方には、伸縮性がある和装ブラジャーを準備してもらいます。
補正が必要な場合は、通常の胸の大きな人と同じように、肩や首の下のくぼみに綿花などを足していきます。
大きくなったお腹はどうするか
- お腹は締め付けない!本人が希望する場合は、本人が慣れているように、自分で腹帯なり、ガードルなりしてもらう!
- 長時間外にいるなど、寒さが気になる場合は腹巻をしてもらう!
これを原則として考えて大丈夫だと思います。つまり、お腹の補正は特にしません。お腹と胸の間のくぼみがあれば、フェイスタオル・タオル・綿花などを足してあげてください。
ん?晒しで下腹を巻いてあげたほうが安定するし、腹帯は日本で昔からするじゃない、と思われた方。それは古い間違った知識ですので、これからは変えてください。
今は、ほとんどの産院では、腹帯は推奨されていないどころか、禁止されているところもあります。「胎児の発育を妨げる」「血行を悪くして、高血圧、妊娠中毒症を引き起こす」ということがあるからです。なので、本人が希望しない限り、着付け師が勝手に腹帯の代わり~と晒しをまくと、妊婦さんたちはびっくりされる事もあります。もし、さらしのメリットが上記のデメリットよりあれば、是非おしえてください。私の知らない理由だと思うので。
また、もし、晒しを巻く場合も、そのメリットを説明されて、妊婦さんに納得していただいただく、というコミュニケーションを必ず図ることがクレームを回避してくれます。妊婦さんがイヤがれば、無理してすることもないでしょう。